鞍手高校の校長として4年目を務めさせて頂きます高校30回卒の清澤 亨です。
鞍陵会の皆様には、日頃から母校の発展のために、物心両面に渡る温かい御支援をいただき、誠にありがとうございます。
本校では平成29年の鞍手中学・鞍手高校創立百周年を機に様々な記念行事を実施して参りました。そして百周年の年に入学してきた生徒が卒業学年となる本年4月15日に、百周年最大の記念事業である講堂兼用の多目的施設「鈴懸ホール」の落成式典を実施することができました。
なお新たな施設の名称は、広く公募し、多く寄せられた「鈴懸」や「プラタナス」に因んだものの中から、前述の「鈴懸ホール」に決まりました。
4月15日は本校の創立記念日にあたり、昭和30年代の火災による校舎焼失以来、本校の悲願であった講堂兼用の新たな施設が、同窓生の皆様の多大なる御支援により竣工の運びとなりましたことに、学校を代表し心から感謝申し上げます。
当日は、百周年記念碑の除幕式並びに落成を祝う記念演奏会(高55回卒 井石弾氏ヴァイオリン独奏)も実施されました。今後は、冷暖房完備のこの新たな施設を、儀式、集会、部活動等様々な教育活動の場面で、大切に使わせて頂きます。鞍陵祭等で母校にお立ち寄りの際は、外観だけでなくぜひステージ等の内装も御覧いただければと思います。
また、百周年を機に設立された「鞍高鞍陵会奨学財団」からは、多くの生徒が奨学金の給付を受け、学業を継続することができています。この4月からは「公益財団法人」として認可され、さらに財団の基盤が固まることになれば、学校としてもこれほど有り難いことはございません。同窓会からの御支援に応えられるよう、学業、部活動、学校行事にしっかりと取り組んで参りたいと思います。
学校の状況につきましては、鞍手高校のホームページをご覧いただければと思いますが、高校教育改革のまっただ中にあっても、「質実剛健・自学自習」の伝統を守りながら、「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」や「SGH(スーパーグローバルハイスクール)」そして「英語イマージョン教育(英語以外の教科を英語で進める)」にも取り組むなど、全国が注目する最先端の教育活動を推進しています。
高校での課題研究等を評価する新たな選抜方式で、九州大学や九州工業大学等への進学者が増えています。部活動にも8〜9割の生徒が参加し、吹奏楽部、放送部等、多くの部活動が県大会、九州大会、全国大会へと進出しています。特に、残念ながら春の甲子園には選抜されませんでしたが、本校野球部が21世紀枠の福岡県代表校に推薦されたことは、本校のみならず筑豊地区全体を元気づける出来事でした。
急激な少子高齢化の進展、他地区への人口流出、私学の台頭と筑豊地区県立高校の置かれた状況は極めて厳しいと言わざるを得ませんが、このような時代だからこそ、鞍手高校は「たくましき前進者」でなければなりません。「平成」から新たな「令和」の時代がスタートしますが、次の百年に向け、鞍陵会の皆様方の更なるご支援・ご協力をお願いし、挨拶といたします。
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